為替レート:円高と円安がもたらす影響とは?

 みなさんは、「円高」や「円安」といった相場の動きを賢く投資に活かせていますか?
恐らく「何となく意識はしているけれど、そもそも円高と円安を十分に理解できていない…」という方も多いのではないでしょうか?

ここではそんな方のため、円高と円安それぞれの特徴とメリット・デメリットについて簡単にお話ししていきたいと思います。

さて…はじめに為替相場について軽く触れておきましょう。

今でこそ“変動相場制”がとられていることで刻々と変わり続けている為替相場。
ですが、かつては米ドルを基軸に固定相場制がとられておりレートが変わらない時代もありました。当時のレートは「1米ドル=360円」。このレートがずっと変わらず続いていたのです。

ところが、1971年に当時のアメリカ大統領リチャード・ニクソンが、世界経済を大きく揺るがす(俗に「ニクソン・ショック」と呼ばれる)政策転換を発表! 
それを機に、日本を含む先進各国は徐々に変動相場制へと移行……今日に至ります。
この変動相場制への移行に伴い、為替相場には(経済状況、政治状況などの影響をうけて)絶えず変化が起こるようになり、また円高・円安という相場の傾きも生じるようになったわけです。

では、米ドルに対し円高・円安になると、具体的に私たちの生活にはどのような影響が出てくるのでしょうか。


【円高がもたらす主な影響】

・輸入事業の利益が増える(輸入品の仕入れが安くできるようになる)
・輸出事業の利益が減る(円が高くなるため海外で物を売り難くなる)
・債権価格の高騰が起きやすい一方、株価は下落しやすくなる
・通貨価値の上昇に伴い物価下落(デフレ傾向)が起きやすい
・一般的に「資産家に有利で労働者に不利な状況」だとされる

端的に言えば「1ドル=100円」が「1ドル=80円」になるような局面…これが円高です。

こうした状況は、輸入においては“プラス要素”! 仮に円高が100円から80円に進めば、「それまで100円を出さなければ買えなかったものが、たった80円で買えるようになる」わけですからね!

反面、海外の買手にとってこの状況は「1ドル出せば100円を買うことができたのに、同じ1ドルを出しても80円しか買えなくなってしまう」ことを意味します。そのため、“円が高くなる”と海外における日本製品の売れ行きが低迷しやすくなり、輸出業にとっては大ダメージ! その結果、輸出関連業者の株価が業績悪化に伴い下落、それが日本の株式相場全体のムードを押下げ、さらには日本経済そのものの停滞が引起されるリスクが指摘できます。

我々の生活に円高は、こうしたメリットとデメリットをもたらすのです。


【円安がもたらす主な影響】

・輸出事業の利益増
・輸入事業の利益減
・日本の株式相場の上昇が期待できる一方、債権価格は下落
・物価の高騰が起きやすく、通貨価値は下落しやすい(インフレ傾向)
・一般的に、労働者層に有利で資産家にとっては不利な局面とされる

円安は円高の反対の状態、例えば「1ドル=100円」が「1ドル=120円」になるような局面を指します。

こうなると、それまで100円で買えていたものを買うのに、120円を用意しなくてはならなるわけです。そのため、輸入品を安く買いたい輸入業者や一般消費者としてはデメリットですね…。

ただし、その一方でドルを持っている海外業者から見れば、円安が進むほど、それまで以上に日本製品を安く買えるようになるということ。よって海外への輸出事業は好調になります。
「円安」は“円の通貨価値が下がっている状態だ”…というと、一見日本にとってはあまり良くない状況であるかに思えますが、貿易という観点に立てば、むしろ海外に日本製品を売り込む絶好の機会であり、日本の景気上昇が狙えるチャンスでもあるのです。


【円高・円安、我々日本人にはどちらが有利?】

円高・円安には、上記で簡単にご紹介したように“一長一短”あります。

一般的に、円安局面の方が、輸出が伸び・雇用状況が改善するため日本の“景気”にとってはプラスだとされていますが、食料や資源の多くを輸入に頼る日本としては、円高が来たほうが生活面で大きな恩恵が得られて助かる面もあるのです。

従って、円高が良いとも、円安が良いとも、インフレが悪いともデフレが悪いとも……断言することは一概にできません。 
それに…そもそも相場は、「円安になってくれ」「円高になってくれ」などと願ったところで思うように動いてはくれないもの。

そのため、何より大切なのは、相場傾向をきちんと把握するとともに、円高・円安が我々の生活にどう影響するかを正しく理解し、どんな相場局面がきても落ち着いて、状況に合わせた対処をすることです。
これこそ投資をするうえで最も大切なこと!
相場の流れをシッカリ見極め、その状況に合わせた投資・資産管理を考えていけるよう、心がけたいものですね。